ぱてなブログ

アラフォー間近の一児の父が、興味あることを調べ綴った雑記ブログです。IT、経済、映画、アニメ等々、とにかく興味の向くままに綴ります。

【大人の常識】モッタイナイ精神じゃなかった、日本の住宅事情

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「もったいない」という言葉は、日本人の精神を表す言葉として世界共通語の地位まで上り詰めました。質素倹約、質実剛健、不撓不屈、これぞ古き良き日本人の姿だと声高に世界へ発信していました。

しかしどうでしょう。日本人は本当にモッタイナイ精神ですか?

各国の中古住宅市場を見てみましょう。(出典:国土交通省)

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グラフの上に明示されている数字が住宅市場における中古住宅の割合です。データが多少古いですが、ほぼ現在と変わっていません。
アメリカ:77.6%、イギリス:88.8%、フランス66.4%、日本:13.5%…。

Oh, Jesus!たったの13.5%!

新築、新築、新築、新築ぅぅぅ!!!新築を建てまくるぞぉぉぉぉ!!!これが日本です!!!

 

日本における中古住宅

昨今問題視されている「空き家問題」ですが、2018年時点で846万戸(13.6%)の空き家が存在します。10件に1つは空き家です。

なぜ空き家が増えているのか、原因はさまざま言われております。

・新築住宅の供給過多
・固定資産税問題
・相続問題
・地方の過疎化

 
でも、根本的な問題は「価値の減少」だと思っています。

 

 20年~30年で資産価値ゼロ

 あらゆるものには「法定耐用年数」というものが決まっております。会社の備品などであれば「減価償却」に関係します。要は「耐用年数の期間は価値があるので資産と見なします」という仕組みです。
つまり「法定耐用年数」=「価値がある期間」という方程式が成り立ちます。

そこから導き出される答えは「法定耐用年数を超えた住宅には価値がない」ということです。

実際には全然住める家でも「いや、法定耐用年数過ぎてるんで」と杓子定規に査定されます。ローンが払い終わったころには、その家の資産価値はほとんど無くなっているのが、日本における住宅事情なのです。(戸建ては22年~34年)

そりゃぁ、中古住宅市場が活性化するわけありませんよね。売っても旨味がないんだもの。

 

例えばアメリカでは

さて中古住宅が77.6%であったアメリカ。なぜこれほどまでに中古市場が活発なのでしょうか。

ひとつは「建築許可が厳しい」という理由があります。気に入った場所に家を建てたいと思っても中々建築許可が下りません。

もうひとつは「中古住宅は実用価格で査定される」からです。日本のように法定耐用年数が過ぎたから価値ナシと言われません。ですからアメリカでは家のメンテナンスを欠かしません。定期的にDIYで家を補修します。住宅は資産だからです。

さらにはインフレが堅調であるため物価もアップ。それに伴い住宅価格も上昇します。購入当時よりも、現在の方が住宅価格が高い事なんてザラにあるのです。

 

例えばイギリスでは

イギリスもまた88.8%と中古市場が活発です。「貯金するくらいなら家を買え」という格言があるとかないとか。それくらいに不動産=資産という文化です。アメリカと同じく住宅価格は上がり続けています。日本人の感覚からしたら信じられないくらいに貯金がありません。住宅を持っていればそれだけで資産となるからです。

まあ、近年では住宅価格が上がりすぎて若者が手を出せないなんて話もありますが。

 

各国で事情は違うにしろ

日本は何かと災害も多いし、湿気による住宅の傷みも無視できません。しかしあまりにも中古住宅が無下にされすぎています。政府も空き家問題解決のために動き出していますが、依然遅々としています。

SDGs(持続可能な開発目標)が掲げられている中、あまりにも時代錯誤な新築信奉が廃れることを望みます。

 

……そしたら家を買うことを考えよう!